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〒519-4442 三重県熊野市神川町神上63
市指定文化財 有形民俗文化財 神川町碇区
六十六部とは、「法華経」を書写し、奉納するため全国六十六国の寺社を巡る行脚僧のことで、最澄(日本天台宗開祖)の「法華経」書写が始まりといわれています。
江戸時代に僧俗を問わず、諸国を練り歩き、なかには、物乞いをする者も現れたそうです。
碇地区の供養塔は、本願が備前国善助で、これに関係した人は、四国・中国・九州の各国広範囲に及びます。東禅寺との関係は定かではありませんが、諸国を巡り、碇地区に至り、当時の村人の手によって建てられたものとされています。
この種の供養塔は市内各地にいくつか残っていますが、碇のように遠国からの六十六部は珍しいそうです。
(「熊野市の文化財」 熊野市教育委員会より)
※「法華経」
正しくは「妙法蓮華経」、紀元前後から3世紀にかけて現在の経典となる。
※「本願(ほんがん)」
仏や菩薩が過去世の修行の期間に立てた誓願。人々を救済しようとの根本の願い。
<碇地区風景>
石碑は山道入口脇にありました。160年ほど前からこの地をずっと見守ってきたのでしょうか。遠路はるばるこの地を訪れた僧侶たちの旅の苦難が偲ばれました。