優れた自然美と古い歴史に恵まれた本市は、調和と活力があり、豊かで魅力ある郷土づくりを目指し、努力している。
今、時代は激動期を迎え、教育をめぐる課題もますます複雑化し、多様化しつつあります。また、地域コミュニティの弱体化、家庭の状況変化、子どもの貧困、地域間格差などが依然として解決すべき大きな問題となっている。
国においては、令和5年6月に第4期教育振興基本計画が策定され、「グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成」「誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進」「地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進」「教育デジタルトランスフォーメーション( DX )の推進」「計画の実効性確保のための基盤整備・対話」の基本的な5つの方針が示されるとともに、今後5年間の教育政策の目標と基本施策・指標が明らかにされた。
また、超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けて、人工知能(AI)やビッグデータの活用などの技術革新が急速に進んでおり、こうした社会の大転換を乗り越え、全ての人が、豊かな人生を生き抜くために必要な力を身に付け、活用できるようにする上で、教育の力の果たす役割は大きく、これらに対応した取り組みが求められている。
さらに、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための国際目標(SDGs)が、平成27年9月の国連サミットで採択された。その中で「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことが教育に関する目標とされており、多様な学習ニーズに対応した学びの環境づくりが求められている。
以上のことを踏まえ、熊野市教育大綱の趣旨に添うように教育基本方針を策定した。子どもたちが確かな学力を備え、心身ともに健全に成長していくための学校教育の充実と、市民の一人ひとりが生涯にわたり心の豊かさ・うるおいを感じながら生活できるよう生涯学習活動・文化芸術・スポーツの推進を図るため、目指すべき姿とその実現に向けた方向性を示す指針として、教育基本方針を策定する。
令和6年4月1日
熊野市教育委員会
1. 熊野市教育の目的 日本国憲法及び教育基本法の示すところにしたがい、子どもの幸福と市民の生活の向上を願い、明るく正しい社会の発展に寄与する人材の育成を図る。 2. 熊野市教育の基本方針 教育基本法を中心にして、各関連法規及び熊野市民憲章の精神、熊野市教育大綱に則り、熊野市の将来の展望のもとに市民生活の実態をとらえ、その課題を指標として健全な教育の推進を図る。 3. 熊野市教育の基本目標 (1)個人の価値をたっとび、責任と勤労を重んじ、自主的精神に
満ちた健康な市民を育成する。
(2)科学的、合理的な精神と創造的な知性に富み、よりよき生活の
向上を図ろうとする市民を育成する。
(3)広い視野に立つ豊かな社会性と積極的な協力性を身に付け、
郷土の発展と社会発展に寄与する市民を育成する。
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